最低価格:68万円
最高燃費:20.2km/L
現在のスズキ・キャリィは2013年8月にフルモデルチェンジされた12代目となるモデルです。先代まではロングホイールベースとショートホイールベースの2種類あったボディタイプも、小回り性能や悪路での走破性を高めたショートホイールべース仕様に統合しました。
先代モデルから車体レイアウトも刷新し、荷台のフロントデッキの廃止等の工夫で2,030mmの荷台フロア長をそのままにしてキャビンの居住空間を拡大させています。また高張力鋼板を採用することで軽量化と衝突安全性の両立をはかりました。
トランスミッションは5速MTと3速ATそして新型トランスミッション5AGS(5速タイプのMT自動ギヤシフト)の3種類です。5AGSを開発したことにより、燃費も従来の3速ATの16.8km/Lから15%向上した19.4km/L(2015年8月の一部改良で20.2km/Lに燃費向上)となりました。
グレードは「KX(2WD)」「KC(2WD/4WD)」「KC農繁仕様(4WD)」の3タイプが用意されています。5AGSはKCグレードのみ搭載されています。カラーはスぺリアホワイト、シルキーシルバーメタリック、ノクターンブルーパール等落ち着いたトーンの3色が用意されています。
最新モデルは2013年のグッドデザイン賞も受賞しています。姉妹車(OEM)にはマツダ・スクラムトラック、三菱・ミニキャブトラック、日産・NT100クリッパートラックがあります。
スズキ「キャリィ」の良い点(メリット)
新型トランスミッション5AGS
スズキが新しく開発した新型トランスミッション5AGSは、クラッチとシフト操作を自動化した5速オートギアシフトです。軽自動車トラックではキャリィのKCグレードだけに搭載されています。5速MTをベースにしているので従来車と比較すると駆動力の伝達ロスが軽減されています。オートマ限定免許で運転が可能です。電子制御によって優れた燃費性能とギヤの最適化で高い登板性能を発揮します。高速走行時はATと比べエンジン回転数が低く抑えられ、静粛性にも優れています。また登り坂発進時ブレーキペダルから足を離しても最大2秒車が後退しないよう制御状態をコントロールしてくれる「ヒルホールドコントロール」を標準搭載しています。
クラストップの馬力
キャリィにはMRワゴン、ワゴンR等スズキの軽自動車にも搭載されているR06A型エンジンが軽商用車で初めて使用されています。助手席側へ傾斜させた縦置きにしたレイアウトなどの工夫で、軽トラックMT車 トップクラスの最高出力を誇ります。パワフルさと低燃費を両立させた吸気VVT(可変バルブタイミング)R06A型エンジンは、さらに低中速トルクを向上させ加速性能や登坂性能を高めました。最高出力は37kW[50PS]/5,700rpm、最大トルクは63N・m[6.4kg・]/3,500rpmとなります。クラストップのパワーを持ちながら、燃費は2WD 5AGS車で20.2km/Lと、ダイハツ ハイゼットトラックに準じる低燃費を実現しています
広い荷台を確保したまま居住性の拡大
新型キャリイはレイアウトの見直しをはかることで、フロア長2,030mmの広い荷台を確保しながら室内空間や頭部前方の空間を拡大しています。旧モデルに比べフロントウインドシールドを前方に移動し、運転席のヒップポイントを15mm後方に下げることで前代モデルと比べキャビンの居住性が高まりました。運転席のシートも14段階調整可能の最大140mmシートスライドができます。タイヤハウスがシート下にある車体レイアウトにより、長靴を履いたままでもペダル操作がしやすい広い足元空間です。ドア開口高も30mm拡大し、ヒップポイント高を20mm下げることで乗り降りしやすい設計となっています。
積み下ろししやすい広い荷台
荷台長1,940mm、荷台フロア長2,030mm、荷台幅1,410mm、荷台高290mmとハイゼットトラックの最新モデルと同等のトップクラスの積載力です。荷台床面地上高はハイゼットトラックより10mm低い650mmで、低く設計された荷台で重い荷物の積み下ろしも楽々行えます。アングルポスト、ロープフック、みち板引っ掛け式リヤゲート、左右両側荷台ステップ等、作業効率を考慮した荷台装備も充実しています。荷台は従来通り分離荷台なので、荷台の補修と交換が可能です。
軽トラックで唯一標準装備でフレームにも防錆鋼板を採用
ボディ表面積の95%以上を亜鉛メッキの防錆鋼板でしっかりカバーしています。キャビンのアウトサイドパネルとアングルポストもガードされています。荷台フロアとゲート(アオリ)ヒンジの合わせ面外周にシーラー(充填材)を、フロントドアヒンジには防錆油を塗布しています。ホイールハウスやフレーム側面などにもアンダーコートを塗布しサビ対策を施しています。また軽トラックで唯一、標準装備でフレームにも防錆鋼板を採用しました。全車にボディー外板表面のサビは荷台を含み3年保証、ボディー外板の穴あきサビは荷台を含み5年保証と長期保証を提供しています。
スズキ「キャリィ」の欠点(デメリット)
ハイゼットトラックに若干劣る居住性
スズキ・キャリィの室内幅は1,310mmで、ダイハツ・ハイゼットトラックの1,340mmと比較すると若干狭くなってしまいます。また全高も全グレード共通1,765mmで、ダイハツ・ハイゼットトラックの1,780mm(ハイルーフタイプは1,885mm)と比較すると低めに設計されています。キャリィの前代モデルからは居住性は広がりましたが、他社の最新モデルとの比較では劣ってしまいます。
5AGSのトルクにむら
燃費性能を向上させるため、アクセルをONにした際の燃料の増量を絞っているため、シフトチェンジ後のアクセルの踏み込み時に若干トルクの谷を感じてしまいます。AT車の試乗比較した際スズキ・キャリィが他社よりもこの症状が顕著に現れたとする人もいますので、スムーズなトルクと加速を求める人には気になります。普通のAT車のつもりで急激に踏み込むと1速から3速までのシフトチェンジの滑らかさのなさは明らかです。回転数にあわせてアクセルを緩めながら調整する必要があります。
最低価格:68万円
最高燃費:20.2km/L